二級建築士の設計製図試験に合格するためには?具体的な対策を考えよう!

公開日:2023/03/15   最終更新日:2024/10/25


二級建築士は建築に関わる資格として非常に有用なものです。取得できれば、就職や転職でより好条件の待遇を受けられるので、ぜひとも取得しておきたい資格です。ここでは二級建築士の設計製図試験概要、設計製図試験の合格率・難易度、設計製図試験に合格するためにどうすればよいかについて解説します。

二級建築士の設計製図試験概要

二級建築士は、都道府県が許可する建築の資格です。一般的に設計製図試験についての課題発表が6月、学科試験が7月、設計製図試験が9月に実施されます。受験に要する資格は、大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業訓練校などで指定された科目を修了したほうが対象です。

必要科目は、建築設計製図はもちろん、建築の計画、構造力学、関連法規など多岐にわたります。上記の方以外は実務経験が7年以上必要となっています。実務経験は、設計、建築積算、解体、工事管理、指導などかなり具体的で実践的な指導的立場の経験がなければならないので、ハードルは高いといえます。試験は学科試験が100問のマークシート式、設計製図試験は発表された課題についての設計製図をこなすことで評価されます。

取得すると、工務店、ハウスメーカなどはもちろん、ゼネコン、設計事務所などでも業務の幅が広がり、よりよい待遇が期待でき、建築の安全性、耐久性、利便性、法令の適用性、設備配置、機能の最適化などに関わる業務ができるようになります。具体的には、「工事管理者としての職員への指導、監督」「耐震基準を満たす構造の検討」「生活動線を阻害せずに安全性を両立する間取り」「準耐火構造など各法令に準拠しているかどうかの確認」「換気システムが効率的かつ有機的に機能しているか」「顧客の要望を踏まえた上で実用的な設計をする」などです。

上記の仕事は資格を持たない方でも可能な部分もありますが、より建築の構造、法令、各部材の機能性などをしっかりと身につけている方とそうでない方では、提案力や業務の質に差があるといえるでしょう。単純に設計図だけを書いて終わりという業務の場合もありますが、現場に出て職人と打ち合わせ、確認作業をする、顧客と直に話して要望や思いを聞いて設計に反映するといった業務をすることもあります。

二級建築士の設計製図試験の合格率・難易度

二級建築士の設計製図試験の合格率は令和3年の学科試験で41.9%、製図試験で48.9%、全受験数に対する合格率は23.6%となっています。当然、製図試験は学科試験に合格できた方のみが受験できます。近年は20%代で合格率が推移しており、決して簡単な資格というわけではありません。資格取得自体の難しさは「独学が可能なレベル」といわれ、国家資格としては平均的な難易度のようです。最も難しいとされる司法試験、国家公務員総合職、行政書士などと比べると受かりやすい資格といえます。

二級建築士の設計製図試験に合格するためには?

二級建築士の設計製図試験に合格するためには、まず上記の受験資格を満たす必要があります。指定の学業を修めるか、実務経験を積むかの選択になりますが、実務経験は7年と非常に長く、なおかつ勤続しているだけでは資格を得ることはできません。

学業を修めるほうが時間と労力の面で効率的といえますが、自力で判断する必要があります。受験資格の問題をクリアできたら、試験対策をする必要があります。二級建築士は国家資格であるため、「学校の勉強を聞いていれば合格できる」という甘い考えでは合格できません。なかには、参考書を片手に独学で合格してしまう方もいますが、少数といえるでしょう。

合格を手助けしてくれるものとして有用なものは、「資格取得を支援するスクール」「動画配信」「添削指導」などがあります。

資格取得を支援するスクールは、講師が学科、製図の試験対策を前提とした授業をしてくれますが、時間の融通がきかず授業料が高いのが難点です。

動画配信は無料、有料のものがあります。自分のペースで学習できるメリットがありますが、自分がどこまで理解して実践的な技術を身につけているのか確認する方法に乏しいのが現状です。

添削指導は、スクールと動画のいいとこ取りをしている有用なサービスです。コストを抑えつつ、自分のペースで学習でき、とくに自分がどこまで身についているのか確認する必要がある製図の能力向上では最適なツールといえます。自分で学習計画を立てられ、効率的に学習したい方は添削を選択するとよいでしょう。

まとめ

二級建築士の設計製図試験概要、設計製図試験の合格率・難易度、設計製図試験に合格するためにどうすればよいかについて解説しました。二級建築士は、独学も可能ではありますが、なかなかそれでは不都合が出てくる場面があります。とくに製図はほか人に評価してもらうことで精度が向上するものですので、勉強法の工夫は必要でしょう。上記を参考に自分に合った勉強法を見つけてみてください。

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