建築士を目指す小中学生の勉強法とは?通うべき進学先はどこ?
「建築士に興味があるけど、どうしたらなれるのかわからない」とお悩みの小中学生もいるのではないでしょうか?建築士は自分が設計した建物によって、人々の暮らしや心を豊かにすることができる魅力的な仕事です。そこで今回は、建築士を目指す小中学生のために、今からできる勉強方法やおすすめの進学先について解説します。
建築家を目指すなら建築系の学科を目指そう
建築家になるためには建築士の資格が必要です。ここでは、建築士の資格や資格取得の方法について解説します。
建築家とは?
建築家とは、住宅やビルなどの設計や建築現場での指示・監督などを行う仕事です。建築家になるためには、建築士の資格を取得しなければなりません。建築士の資格には、設計・管理できる建物の大きさや種類に応じて「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」の3つの区分があります。
一級建築士とは国土交通大臣が免許を交付する国家資格です。設計や管理に制限がないので、商業施設やスタジアム、学校などの設計もできます。
その一方で、二級建築士は都道府県知事が免許を交付する国家資格です。設計・管理できる規模に制限があるため、住宅の設計や工事の管理がメインになります。
木造建築士は二級建築士と同じく、都道府県知事が免許を交付する国家資格となりますが、二級建築士以上に制限があるのが特徴です。木造建築士は木造住宅の設計・管理ほか、木造の神社や寺などの建築に関わることがあります。
どうすれば建築士の資格が取れるの?
建築士の資格を取るためには、資格試験に合格する必要があります。しかも、受験資格を得るためには、大学や専門学校などで建築に関する指定科目を履修し、卒業しなければなりません。二級建築士になるには、建築系の学校で単位を取得すれば、卒業時に受験資格を得られます。
しかし、一級建築士の資格試験を受けるには学校を卒業するだけでなく、実務経験を積む必要があるため、多くの場合は二級建築士の資格を取得して働きながら、一級建築士の道に進むことになります。いずれにしても建築家になるなら、建築系の学校へ行くのが近道です。
建築家を目指す小中学生の勉強方法
「建築家になる」という夢を叶えるためは何をすればよいのでしょうか?ここでは、建築家を目指す小中学生のために、今のうちからできる勉強方法について解説します。
高校受験・大学受験に備えておく
まずは、建築系の学校に進学する準備をしておきましょう。建築士の資格を取るためには、建築学科または土木工学科がある四年制大学、短大、専門学校などを卒業する必要があります。建築系の学校に入学するためにも、基礎的な学力を積み上げておくことは大切です。また、建築のほとんどは計算で成り立っているため、とくに数学は力を入れて学んでおきましょう。
有名な建築物を観察する
有名な建築物を観察するのも、建築家に欠かせない空間をイメージする能力を磨くことにつながります。とはいえ、専門的な知識がないと「どのような建築物が優れているのか」わからないものです。そこで、有名な建築家が設計した建築物の写真や実物を観察してみましょう。スケールを測って絵を描いたり、模型を作るのも建築の勉強になります。
CADやプログラミングを勉強する
現在ではさまざま仕事でデジタル化が進んでいますが、建築家もCAD(設計をデジタルで行うソフトウェア)が使えないと仕事になりません。本格的なCADとはいかなくても、部屋の図面を作成できるアプリなどもあるので、パソコンなどデジタル機器を使えるようにしておきましょう。
さらに、プログラミングは建築分野においても、構造や環境性能などをシミュレーションしながら設計するコンピテーションデザインや、高度なデータ分析などに活用されています。プログラミングを学んでおけば、建築家として活躍の場が広がるでしょう。
英語を学ぶ
建築家として働くなら、海外と関わることも考えておく必要があります。海外から設計の依頼がきたり、建築資材などの関係で海外と関わる場面もあるかも知れません。そのようなときに英語で話せればスムーズに仕事が進められます。しかも、建築家には顧客の要望を聞いたり、建築に関わる職人とやり取りしたりとコミュニケーション能力も必要です。英語を学ぶことでコミュニケーション能力も身につけられます。
建築家を目指す上で通うべき進学先
建築家になるにはどんな学校に行けばよいのでしょうか?ここでは、建築家を目指す上で選ぶべき進学先について解説します。
建築を学べる進学先とは?
建築を学べる学校には四年制の大学、短大、専門学校、高等専門学校などがあります。いずれかの学校を卒業することで、二級建築士と木造建築士の受験資格が得られますが、一級建築士の受験資格を得るには実務経験が必要です。建築に関する学歴がない場合は7年以上、二級建築士の資格をもっている場合は4年以上の実務経験が求められます。
しかし、四年制大学を卒業している場合には、2年以上の実務経験で一級建築士の受験資格を得られるのです。短大や専門学校、高等専門学校でも建築を学べますが、一級建築士になるためには二級建築士を経由しなければならず、費用や時間など、さまざまな面で負担が大きくなります。
さらに、給料面でみても「高卒」よりも「大卒」のほうが、大企業に入社しやすく、給料が高いのが現状です。また、現在活躍している多くの建築家も四年制の大学を卒業しています。建築家を目指すなら、普通科高校もしくは工業系高校を卒業して、四年制大学に進学するのがよいのではないでしょうか。
大学に行くなら理系と文系どっちがいい?
建築学科がある大学には、理系の工業系大学と文系の芸術系大学がありますが、カリキュラムや重視している部分が異なります。一般的に工業系大学では設計や構造、設備、環境、施工などを体系的に学ぶことが可能です。その一方で美術系大学ではデザインを中心に、建築設計の技術、技能を学べます。どんな建築家を目指すかによって、自分に合う大学も変わるのでよく考えて選びましょう。
理系の大学のメリット
二級建築士を目指すうえで、理系の大学を卒業している場合に得られるメリットはたくさんあります。まず、二級建築士では、学科試験の他、製図設計試験にも合格する必要がありますが、この製図では、数学や物理の知識が役立ちます。
超高層ビルやマンションなどの大規模な建物の設計には、理工学部などの理系分野の知識が必須となるでしょう。また、建物の耐震性などは、重力計算などの物理学や、土地の地盤確認に必要となる地学など、住宅を建てる上での根底となる知識が必要です。
住宅の塗装に関する科学や、カビや虫の繁殖を抑えるための生物学も必要となります。これらの分野を網羅した理系大学は、二級建築士の資格取得において非常に有利といえるでしょう。
文系の大学のメリット
理系の大学が有利とお伝えしましたが、文系の大学でもメリットがないわけではありません。二級建築士は、製図の作成だけではなく、その設計の特徴や魅力を伝えるための文章力も必要です。設計デザインを企画し、クライアントへ提案するときには、コミュニケーションスキルも必要となります。
このようなシチュエーションにおいて、文系の持つ表現力は、大きな強みになります。
しかし、計算が苦手な文系だから不安という方もいるでしょう。確かに、建築設計では、建ぺい率など構造計算が必要となります。しかし、近年では構造設計を専門家に任せるなどの分業制になっているケースも多くあります。
試験に合格するための一般的な計算能力は必要となりますが、自動計算ができるシステムを取り入れている企業もあるので、大きな不安要素に感じることはないようです。
合格するか不安なら二級建築士の資格講座を活用するのもおすすめ
文系と理系の大学を卒業後に二級建築士を目指す場合、独学で学習して合格したいという方もいるかもしれません。しかし、二級建築士は国家資格であるため難易度が高く、独学での合格は難しいともいわれています。
その理由は、試験の要ともなる製図経験が積みにくいことや、自分だけでは、理解力の確認が難しいということにあります。また、二級建築士の試験は1年に1度なため、チャンスを逃すと、また1年間待たなければいけません。
難関ともいえる二級建築士の試験への対策となるのが、資格講座です。
二級建築士の資格講座では、試験範囲を網羅した内容で、学習できるので、無駄がなく、効率的に二級建築士を目指せます。
二級建築士が合格するまでの学習時間500〜700時間と言われていますが、資格講座を活用することで、その時間を短縮することもできます。自分だけでは学習が進まない、適切な学習方法がわからないという方にも、おすすめの学習方法です。
建築学科と土木工学科の違いとは?
大学の中には、建築学科と土木工学科が設けられているケースもあります。その違いは、何を建築するかです。建築学科では設計や製図、デザインをはじめ、建築史や都市計画などを学びますが、土木工学科では道路や橋、空港、ダム、トンネルなど社会生活を支える基盤となる施設に特化した建築を学びます。学部を選ぶ際は、将来どのような建築物をつくりたいか考えるとよいかも知れません。
まとめ
最短で建築家になれる進路は、建築学科のある四年制大学を卒業することです。しかも、一級建築士の受験資格を得るために必要な2年の実務経験は、長期的にインターンシップ(企業での就業体験)を行うことで最大1年の実務経験を短縮できます。さらに大学に行けば建築だけでなく、さまざま知識を吸収できます。小中学生から建築家を目指すのであれば、まずは四年制大学へ進学することを考えてみましょう。
この通信講座がおすすめ!
-
引用元:https://www.jdknet.co.jp/html/page3.htmlプロによる個別添削指導と
的中率が高いオリジナル教材!-
最新の試験動向に合わせた動画内容!
-
難関の設計製図に対するプロ講師による充実した添削サポート
-
コストパフォーマンスが高いカリキュラム内容
-