建築士資格は更新が必要!更新をしなかったらどうなるの?
建築士の資格は、取得した後も更新が必要とされる資格です。「更新をしなかったらどうなってしまうのだろう?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。事前に更新について知っておけたら安心ですよね。今回の記事では、建築士が資格を取得した後の更新について解説し、手続きの流れを紹介します。興味のある人は参考にしてください。
建築士の資格は更新が必要
建築士の資格は、平成20年11月28日に施行された「改正建築士法第22条の2」にもとづき、建築士事務所に所属する建築士(一級・二級・木造)は3年以内ごとに、一級建築士定期講習、二級建築士定期講習、木造建築士定期講習を受講し修了することが義務づけられました(※)。この改正建築士法によって、すべての建築士は3年に1度更新をしなくてはいけません。受講のタイミングは大きく3つに分けられます。
(※日本建築士事務所協会連合会HPより記載)
一級建築士を取得して初めて定期講習を受ける方
一級建築士の資格取得後、初めての一級建築士定期講習は、合格した翌年度から数えて3年以内の受講が必要です。合格した日から3年と思っている人も多くいるようですが、正しくは合格した次の年度の始まりから3年以内と定められています。3年後の年度末までに、定期講習を受講すれば問題ありません。
2回目以降、定期講習を受ける方
1回目の建築士定期講習を受けた後は、3年おきに定期講習を受講することになります。受講のタイミングは、前回受講した翌年度の4月1日から3年後の3月31日までに講習を受けなければいけません。
無所属の一級建築士で建築事務所に転職した方
前回受講してから退職した場合は、一級建築士事務所に所属後速やかに定期講習を受講する必要があります。こちらは翌年ではなく、所属後に受けなければいけないので気を付けましょう。
更新をしないとどうなるのか
一級建築士が更新をしないとどうなるのでしょうか?建築士法では、すべての構造設計一級建築士は3年ごとに定期講習を受講しないと、「戒告、または2か月間の業務停止処分の対象」と定められています。国土交通省のウェブサイトには、ネガティブ情報検索システムとして実際に処分された建築士が公表されているようです。定期講習を受講しなければ、最終的に免許をはく奪されてしまうこともあります。取得した建築士の資格を無駄にしないように、定期講習の期限を確認して更新することが大切です。
建築士資格の更新手続きと定期講習の流れ
ここからは、建築士が行う更新手続きと定期講習の流れについて解説します。
定期講習の申し込み方
定期講習の申し込みは郵送、持参もしくはインターネットで申し込みします。まず、受講できる希望の会場を選択して都合のよい日程を選びましょう。郵送や持参の場合は、建築技術教育普及センターのHPから申込書を印刷して必要事項を記入してください。建築技術教育普及センターのホームページから申し込む場合、申込書は必要ありません。
定期講習の費用と講習内容
定期講習は講義を5時間+修了考査1時間となっています。講習の流れは日建学院のHPに記載されており、授業ではテキストと共に映像による解説を受けるようです。ただし定期講習の講義時間や授業内容は各機関によって異なるため、気になる方は確認しておくとよいでしょう。授業のまとめでは、修了考査の試験で出るポイントが解説されるのでしっかりポイントをおさえておきましょう。
試験時間は60分で問題数は40問、○、✕を選択するマークシート方式です(テキスト使用可)。修了考査の合否は後日通知が届きます。合格率の公表は行っていませんが、不合格者はあまりいないようです。しっかり講習を聞いていればまず合格できるでしょう。
定期講習費用は、一級建築士・二級建築士・木造建築士ともに12,980円(税込・テキスト代含む)です。受講料を少しでもおさえたい人は、東京土建や埼玉土建であれば10,000円で受講できます。詳しくは東京土建ATECのHPやNPO法人埼玉土建建築支援センターのHPに記載されているため、確認してみるとよいでしょう。
更新の必要のない人もいる
ここまでは、すべての建築士(一級建築士・二級建築士・木造建築士)は3年ごとに定期講習を受け、資格を更新する必要があると記載しました。しかし、無所属であれば更新の必要はありません。つまり「建築士の資格を持っていても、建築士事務所に所属していなければ更新は必要ない」ということです。
ただし、例外として構造設計一級建築士・設備設計一級建築士は、無所属であっても3年ごとの更新手続きは必要になるので覚えておきましょう。
今回は建築士資格の更新について紹介しました。更新期限が過ぎてしまったということがないように、更新を行う時期は早めに計画しておくとよいでしょう。建築士を目指している人、現在建築士の資格を取得しているが更新するタイミングがよくわからない人は参考にしてください。
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