一級・二級・木造建築士の違いとは?業務範囲や試験内容について

公開日:2021/10/15   最終更新日:2023/01/18

「建築士を目指そう」と思い立ったけれど、資格や試験についてはよくわからないという方も多いのではないでしょうか。建築士の資格は3種類あり、それぞれ業務範囲が異なります。なりたい建築士によって、取得する資格が変わるため、各建築士の違いについて把握しておくといいでしょう。取得する資格を明確にし、建築士を目指しましょう。

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業務範囲の違い

建築士によって、扱える建物が違います。建築士の資格ごとに制限が設けられていて、制限を超えるような仕事をしてはならないと決まっています。

一級建築士

一級建築士は、建物に制限がありません。したがって、すべての建物を取り扱えます。学校や病院、百貨店やオリンピック競技施設などの建物を扱えるのは、一級建築士だけです。

二級建築士

二級建築士は、戸建て住宅程度の建物が対象です。木造以外では300m²以下のみで、木造でも1000m²を超える場合は平屋限定です。一級建築士と比較すると扱える建物が制限されていますが、二級建築士だけを取得して実績を作り独立する建築士もいます。

木造建築士

木造建築士はより制限があり、300m²以下の2階建て以下の木造限定の資格です。非常に限定的な資格ですが、木造建築物のみの専門的な知識が必要な資格であるため、歴史的建造物の維持などに関わる仕事であれば、大きな利点になります。木造建築物は多く目にするようになったため、一級・二級建築士とは違った活躍ができます。

受験資格について

木造建築士と二級建築士の受験資格は同じです。建築系の高専卒、専門卒、短大卒、大卒はすぐに受験できます。学校で建築を学んでいなくても、実務経験が7年以上あれば受験可能です。

しかし一級建築士は学歴だけでは受験できず、2年以上の実務経験が必要です。二級建築士、もしくは建築設備士としての実務経験が4年以上あれば受験可能です。

大学院の修士課程が実務経験と見なされなくなったため、大学院へ進学した場合は、一級建築士の受験資格取得が遅れます。建築関連の学校に行っていない場合は、「実務経験7年、二級建築士合格、実務経験2年」のプロセスを踏んで一級建築士が受験可能です。

受験者について

各資格の受験者について見ていきましょう。

一級建築士

一級建築士の受講者数は3万人を超え、建築関連の資格で最多の受験者を誇ります。70%以上が建築会社や、建築士事務所に所属している人です。意匠設計者が40%、構造設計者が10%弱で、半分以上が設計従事者です。また、70%が大学院、二級建築士が20%です。年齢層は20代が半分、30代が4割、残りが40代以上で、平均年齢は32歳弱となっています。

二級建築士

二級建築士は2万4,000人前後と一級建築士よりもやや少数です。一級建築士と同様に、建設会社や建築士事務所に所属している人が半分で、学生は2割以下です。平均年齢は28歳前後で、半分は24歳以下です。そして実務経験のみの受験者が2割弱います。

木造建築士

最も受験者数が少なく、600人程度です。85%以上は学生で占めています。24歳以下が80%程度で、受験者の平均年齢が24歳となっているため、比較的若い人が受けている印象ですね。

試験内容

建設の知識が問われる「学科」と、建物の模擬設計を行う「設計・製図」が試験内容です。学科に合格した人だけが、設計・製図の受験ができます。設計・製図の課題は事前に公開するので、対策ができます。

もし設計・製図で不合格になった場合は、翌年と翌々年に学科免除で試験を受けられます。各建築士によって、詳細が異なるので、確認しましょう。

一級建築士

一級建築士の学科は、

・計画
・法規
・構造
・施工
・環境・設備

の5科目です。計画と環境・設備が各20問で2時間、法規が30問で1時間45分、構造と施工がそれぞれ30問と25問で2時間45分の、合計6時間半です。四肢択一の125点満点で、ボーダーラインは7割です。設計・製図では特殊な「免震構造」のような試験内容の場合もあり、時間は6時間半です。

二級建築士

二級建築士は、環境・設備を除いた

・計画
・法規
・構造
・施工

の4種類です。2科目ごとに3時間充てられていて、合計6時間です。五肢択一の各25問の100点満点で、ボーダーラインは6割程度です。そして科目ごとに足切り点数があります。木造2階建て専用住宅の設計・製図が課せられ、5時間で行います。

木造建築士

二級建築士と試験構成は同じです。学科のボーダーラインも6割程度です。しかし、設計・製図では同様に住宅が課せられますが、「専用」とは限らず、「併用住宅」となる場合が多いです。木造以外の構造形式となる場合もあります。

合格率

各建築士の平均合格率を、学科と設計・製図で分けて見ていきましょう。数年間の統計を元にしています。

一級建築士

一級建築士の平均合格率は以下です。

学科試験:受験者数2万6,000人、合格者4,700人、合格率18%

設計製図:受験者数9,200人、合格者3,700人、合格率40%

二級建築士

二級建築士の平均合格率は以下です。

学科試験:受験者数2万人、合格者数7,100人、合格率35%

設計製図:受験者数1万人、合格者数5,500人、合格率54%

木造建築士

木造建築士の平均合格率は以下です。

学科試験:受験者数520人、合格者数280人、合格率53%

設計製図:受験者数320人、合格者数200人、合格率63%

 

各建築士の違いや、業務範囲、試験内容について解説しました。上記を参考にして、理想の建築士像を考えてみてください。建築士の資格を取ることは非常に困難ですが、需要がある仕事なので、頑張って取得しましょう。

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