
二級建築士の試験を受けるには、建築関連の学歴か資格、もしくは7年以上の実務経験が必要です。経験なしからスタートする場合は、建築士の実務経験を積める職場探しから始める必要があります。本記事では、二級建築士を目指すための実務経験を積める職場を紹介するので、ぜひご一読ください。
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二級建築士の受験資格
前述のとおり、二級建築士の受験資格には「建築に関する学歴または資格の保有」もしくは「7年以上の実務経験」のいずれかを満たさなければいけません。建築関連の学歴がある場合は、国土交通大臣が指定する建築系科目を一定単位数履修することで受験資格が付与されます。
建築設計製図、建築計画、構造力学、建築生産、建築法規など、合計10単位の指定科目に加え、複合・関連科目を合わせて40単位、または30単位、20単位と、学校種別や課程に応じて必要単位数が異なります。大学や短期大学、高専、職業能力開発大学校などでは、40単位を取得すると卒業後すぐに受験・免許登録が可能です。
なお、30単位や20単位の場合は免許登録時に追加の実務経験が求められます。一方、高校・専修学校・職業訓練校については、それぞれ必要単位数や実務経験年数が異なり、詳細は建築技術教育普及センターの案内に委ねられています。
これらの学校の場合、指定科目の取得状況によって卒業後0~数年の実務経験が免許登録に必要です。建築関連の学歴が全くない場合でも、建築に関する実務経験を7年以上積むことで受験資格を得ることができます。実務経験で受験資格を取得するケースは、指定科目が履修できない人にとって重要なルートです。
建築士法改正による変更点
さらに、2020年(令和2年)の建築士法改正により、二級建築士の受験資格・免許登録に関する基準が大きく見直されました。まず、受験時に必要だった実務経験が大幅に緩和され、指定科目の取得単位数に応じて卒業直後から受験可能となる範囲が拡大しました。
大学や短大、高専などでは、40単位を取得していれば卒業後すぐに受験ができ、専修学校(高卒課程)や職業訓練校(高卒課程)においても条件を満たせば実務経験ゼロで受験が可能です。ただし、建築系の学歴も指定科目もない場合は改正後も「実務経験7年」が必要な点は変わりません。
また、受験資格と免許登録資格が明確に分離された点も重要な改正点です。試験に合格した後に免許登録を行うためには、学校分類や取得単位数に応じて一定の実務経験が必要になります。例えば、大学で40単位を取得していれば登録時に実務経験は不要ですが、30単位の場合は1年、20単位なら2年の実務経験が必要です。
高校や専修学校の場合も同様に、登録には2~4年の実務経験が必要となるケースがあります。加えて、実務経験として認められる業務範囲が広がったことも、受験者にとって大きなメリットです。設計だけでなく、工事監理、建築工事の技術的管理、既存建築物の調査・評価、住宅関連の検査業務、建築行政に関する業務など、幅広い業務が実務経験としてカウントされるようになりました。
これにより、従来は認められなかった職種に従事していた方でも、経験年数として評価されやすくなっています。最後に、学科試験の免除期間が3年から5年に延長された点も見逃せません。学科試験に合格すると、その後5年間、計4回のうち2回の学科試験が免除されるため、製図試験により余裕を持って取り組むことが可能になりました。
実務経験を積める職場
二級建築士試験の受験資格に必要な実務経験は、主に建築分野に関わる職場で積むことができます。その代表的な就職先は「ゼネコン」「設計事務所」「ハウスメーカー」の3つです。それぞれの職場には特徴があり、携われる業務内容の違いから得られる経験も異なります。
ゼネコン
まず、ゼネコン(総合建設業者)は建築工事の元請として工事全体を統括する役割を持ち、建築一式工事の監理が正式に実務経験として認められています。ゼネコンの設計部門や建築工事部門に所属した場合、工事監理や設計業務に直接関わることができるため、効率的に必要な経験を積める環境が整っています。大規模な工事に携わる機会も多く、現場の進行管理を含めた幅広い知識が身につく点も魅力です。
設計事務所
一方、設計事務所は建築物の設計および工事監理が主な業務となり、日常的に設計図や施工図の作成に携わることができます。図面作成スキルや建築基準法の知識を深めながら、建築士の補助として建築プロジェクトに関わる点が大きな特徴です。建物の企画段階から完成までの過程を理解でき、専門性を高めやすい環境といえます。
ハウスメーカー
また、ハウスメーカーは主に戸建て住宅の企画・設計・施工監理を行う企業で、部門が細かく分かれている傾向があります。設計部門や工事監理部門、積算部門など建築に密接に関わる部署に配属されることで、二級建築士の受験資格に必要な実務経験を満たすことが可能です。特に住宅設計や顧客対応の経験が積めるため、住宅系のキャリアを目指す人には適した職場といえます。
まとめ
二級建築士を目指すうえで欠かせない実務経験は、職場選びによって得られる内容が大きく変わります。本記事では、ゼネコン・設計事務所・ハウスメーカーといった代表的な就職先を取り上げ、それぞれの業務内容や得られるスキルをわかりやすく解説しました。建築士法改正によって受験資格の幅が広がった点や、免許登録に必要な実務経験の違いなど、制度面の重要ポイントも丁寧に整理。未経験から建築の世界へ踏み出したい人はもちろん、キャリアの方向性を迷っている人にも役立つ内容となっています。自分に合った働き方を見つけながら、確実に資格取得を目指せる一歩が踏み出せるでしょう。



