文系は建築士になれない?建築士になる方法を紹介

公開日:2021/06/15   最終更新日:2024/10/25


建築の仕事がしたいと考えている文系の人の中には、理系の知識がないから本当に建築の仕事をできるかどうか不安に感じている人もいるのではないでしょうか。しかし実際の職場では理系だけでなく、文系の知識も必要になる場面が少なくないです。ここでは、文系から建築士になることは可能か?建築士になるメリットなどについて紹介します。

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文系でも建築士になれる

文系が建築士になるのは難しいと思っている人は多いかもしれませんが、文系出身でも建築士になることは可能です。文系だからという理由だけで建築士をあきらめてしまうことは、自分の可能性を狭めてしまうことになりかねません。建築士になるには、難しい計算が得意でないといけないと思いこんでいませんか?

難しい数学や物理、計算が得意でなくても、四則計算ができれば建築士の資格の取得は可能です。もちろん、建物を設計するためには計算が必要ですが、多くはCADソフトなどで対応できます。また専門的な構造計算などは現在分業制となっており、社内の構造設計師や外部の構造事務所に依頼するのが一般的といえるでしょう。どの仕事にも該当することですが、建築設計の仕事は1人で行うものではなく、さまざまなスキルを持った人が集まり、ひとつの建物を作り上げているのです。

文系出身者でも建築士になれる理由のひとつとして、文系の人が得意な分野である、文章力やコミュニケーションスキルが挙げられるでしょう。提案書の作成やデザインした建物の説明などを執筆する際に文章能力が、クライアントや現場で作業する建築業者や設計業者と話す際にコミュニケーション能力が重要になるのです。そのように考えると、建築関係の仕事に活かせる文系ならではの強みは数多くあります。

文系の人が建築士になるメリット

建築士は日常業務で計算業務を行うことから、以前は計算処理に慣れた理系出身者を採用していました。現在はCADソフトなどの導入や社内の分業で、高度な計算は専門の構造設計師に依頼することから、文系出身者であってもパソコン操作や簡単な計算処理ができれば、採用される傾向にあります。それでは、文系の人が建築士になるメリットは何でしょうか。

ひとつめは、文章力やプレゼンテーション能力があることでしょう。コンペやクライアントへ設計デザインを企画・提案するときに、文章力が必要となります。主にコンペで他社を抑えて依頼を獲得するとき、またクライアントに納得のいく提案をする場面でしょう。自分たちの考えたデザインがどの程度他社より優れているか、素晴らしいものかなどの利点をまとめて、プレゼンテーションする必要があります。文章力に秀でていれば会議での提案資料を作成する場面で、プレゼンテーション能力が優れていれば提案資料を発表する場で活躍できるのです。

2つめに挙げられるのが、コミュニケーション能力といえるでしょう。建築設計を依頼されたときに、クライアントの要望を会話の中で上手に聞き出し、把握するスキルが重要となります。希望内容を的確に把握していないと設計図に反映できないからです。今後作業のAI化や機械化が進む中でも、人間にしかできないコミュニケーション能力はさらに重要になるといわれています。

文系の人が建築士になる方法

建築に関する知識をほとんど持たない文系の人が、建築業界に就職することは難しいです。そのため、文系の人が建築士として働いていくには建築の専門知識を身につけること、建築士の資格を取っておくことが重要となるでしょう。建築事務所や設計事務所で働きながら建築士の資格を取る方法もありますが、時間がかかります。建築関係の学校に通い、資格を取ることをおすすめします。

建築系の大学

建築士を目指すのであれば、建築系の学科のある大学を選びましょう。建築業界で有名な教授が在籍しているとなおよいです。将来大手のゼネコンや設計事務所に就職したいのであれば、大学を卒業しているほうが有利でしょう。一般的に建築系の学科があるのは理系の工学部などになり、一般教養で物理や数学が必須履修科目であることが多いので、理系科目が苦手な人には厳しいかもしれません。芸術系の大学の建築学科であれば物理や数学が必須でないところもあるので、ホームページで履修科目をチェックしてみましょう。

専門学校、短期大学

専門学校や短期大学は入試で理系科目がなかったり、入学後も一般教養で物理や数学など理系科目の履修が必須でなかったりすることがほとんどなので、文系出身者におすすめです。学校選びのポイントとしては、卒業後に建築士の受験資格を得られるかどうかを必ず事前に確認しておきましょう。

通信教育で学ぶ

通信教育制の建築学科であっても、所定の学歴が認められ建築士の受験資格を得ることができます(詳細は必ず各大学にご確認ください)。ただし、通信教育の授業の多くはオンラインで行われるため、実際に建築物を目で見たり、同じ志を持った友人たちと切磋琢磨したりすることはできません。その部分は自分で時間を作って補うことが必要となります。

 

文系から真逆の理系の領域である建築士を目指すことは簡単なことではありません。しかし、決して不可能ではありません。思い描く理想を形にする建築士は、とてもやりがいのある仕事です。あきらめずにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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