二級建築士の業務範囲とは?どんなことができる?

公開日:2021/12/15   最終更新日:2024/06/07

二級建築士とは、都道府県知事から許可される国家資格です。建物の設計から工事監理など、さまざまな仕事を行います。しかし、仕事の幅に制限があり、構造は問わないものの戸建て住宅ほどの小規模な設計が主な仕事です。二級建築士の業務範囲やできる仕事について解説します。

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二級建築士の業務範囲

二級建築士ができる仕事は以下の範囲によって定められています。

・鉄筋コンクリート造、鉄骨造、レンガ造、コンクリートブロック造、無筋コンクリート造、石造の建築物で、延べ面積30m²を超えるもの

・上記以外の構造かつ木造以外の建築物では、延べ面積100m²を超えるもの、または3階以上のもの

・木造の建築物では、延べ面積が300m²を超えるもの、または3階以上のもの

これらの範囲で、高さは13m以下、軒の高さは9m以下です。延べ面積が500m²を超えるものや、学校や病院などの用途が決まっている建物は、一級建築士でなければ携われません。

一級建築士の場合は事実上、あらゆる建物を取り扱えます。二級建築士は、戸建て住宅の設計を対象とした資格で、建築の知識だけではなく、住む人の理解が必要な仕事です。

設計できる建築物の規模

建築士によって、設計できる建築物の規模・構造が決まっています。そのため、それぞれの特徴を十分に理解しておく必要があります。

まず、建築士は、一級建築士・二級建築士・木造建築士に分類されます。このなかで、設計する建築物の規模に制限がないのが一級建築士です。教育機関や公共施設をはじめ広範囲の建物を設計できるため、資格の取得もむずかしいといわれています。一方で、独立しやすいというメリットもあります。

面積でいうと、500m2以上かつ高さ13mもしくは軒の高さが9m以上です。もちろん小規模の設計も可能ですが、ほかの建築士に比べてなんでも設計できるのが大きな特徴になります。

二級建築士は、設計できる建築物の規模に制限があるため、範囲は狭くなります。わかりやすくいうと「住宅」程度です。高さ・軒高は一級建築士と同じですが、2~3階の木造は延べ面積1,000m2以下、鉄筋コンクリートまたは鉄骨などは延べ面積30~300m2以内でなければいけません。学校や病院、百貨店でも、500m2以下であれば設計が可能になります。

木造建築士は、木造の建物を専門に設計するため、それ以外の建築物は対象外になります。延べ面積300m2以内・2階以下に限られていますが、規定の範囲内であれば店舗や公共施設の設計も可能です。

種類 高さ 軒高 延べ面積
一級建築士 13m 9m以上 500m2以上
二級建築士 13m 9m以上 2~3階の木造1,000m2以下・鉄筋コンクリート/鉄骨等 30~300m2以内・学校、百貨店500m2以下
木造建築士 13m 9m以上 300m2以内・2階以下の木造建築物

免許交付

免許を交付してもらうには、登録申請が必要になります。申請は試験に合格した方のみ行えますが、試験を受けるには実務経験の有無が問われるため、未経験では受験・交付されません。一級建築士に関しては実務経験がなくても受験できますが、登録の段階ではしっかりクリアしておきましょう。

実務経験とは、ゼネコンやハウスメーカーなどが挙げられます。国土交通省が認可した建築関係の業務になり、所定の年数を経験することで登録申請が可能になります。ただし、建築士法改正(令和2年3月1日)によって改正前と改正後の提出書類が異なるので注意してください。

申請は、手続きの種類によって提出する書式が変わってきます。平成20年11月28日以降は申請に手数料もかかるので確認しておきましょう。代理人申請もできますが、できる限り本人が申請することをおすすめします。

二級建築士に関しても、実務経験が削除されたため、すぐに一級建築士の受験が可能になります。たとえば、工業高校を卒業後に試験に合格し、2年の実務経験と免許交付を受けていれば短期間で一級建築士になるのも夢ではないでしょう。

二級建築士の仕事と業種

二級建築士ができる仕事内容をご紹介します。

設計業務

二級建築士は、主に戸建て住宅の設計を行います。お客様の要望や予算を聞いて、住みたいと思わせるような家を作るのが設計業務のメインです。家を建てる際に、安全性はあるか・どういった構造にするか・実用性は充分か・お客様の要望に沿っているかなどを考えて設計を進めていきます。

建築で重要なのは、安全性です。建築士法では、建物の安全性を確保するために、建物の規模に合わせて建築士が設計・工事監理をする義務があります

建物や土木に関する知識を持った二級建築士が設計をして、安全性が確保された建物を建てられます。時には要望を叶えられない場合もあるため、代替案を提示しなくてはなりません。

工事監理業務

二級建築士は設計だけをしていればよいわけではなく、設計書通りに工事が進んでいるか定期的にチェックするのも仕事です。設計上と実際の建物を比較して、安全性が確保されていない欠陥住宅が完成するのを防ぐためです。二級建築士は現場に足を運び、工事監理人として現場の指示をしながら工事を進めなくてはなりません。

建物が完成したら、建築局に工事完了検査書を申請し、検査書を元にチェックをしてもらいます。書面と建物に相違点があれば、再度工事をします。行政処分を受ける場合もあり、「設計よりも大切」といっても過言ではない仕事です。

二級建築士は建物の規模に制限がある

二級建築士は、建物の設計と現場監理ができる資格で、戸建て住宅ほどの規模のみといった制限があり、大規模な設計をするには一級建築士にならなくてはなりません。一級建築士は、建物の規模に制限がないためです。

二級建築士は、要望をお聞きし、安全性や機能性を確保した設計が仕事です。そして、工事監理では、設計書通りに工事が進んでいるか、安全性のチェックなどを確認する仕事です。戸建て住宅をはじめ、リフォームや官公庁などで活躍ができます。

二級建築士が活躍できる場所

二級建築士は、戸建て住宅を設計するのが主な仕事であるため、設計事務所やハウスメーカーで働く人が大多数です。とくにハウスメーカーは住宅専門といっても過言ではないため、二級建築士の技術が非常に役に立ちます。

工務店の場合は、戸建て住宅の建設の他に、リフォームやメンテナンスをする仕事として二級建築士が活かせます。大規模な建物を扱うゼネコンは一級建築士を求めている所が多いです。なぜなら、建設会社によって、得意とする建設の規模が異なるためです。

その他、住宅関連の設備メーカーでは、インテリア内装材や住宅設備機器を作るような会社では、建築士の資格所有者を優遇する求人は多数あります。空調メーカーなどでは設備系が優遇されるので、二級建築士の知識がある人は大変貴重な人材として扱ってもらえるでしょう。

選択肢の一つで、インテリアコーディネーターとして、店舗の内装やデザインを決める仕事に就けます。内装専門の住宅関連工事会社のハウスメーカーでも一定の需要があります。

また、不動産会社で不動産投資の際の建築士としての専門的なアドバイスを行うファシリティマネジメントや、設計事務所・施工会社の選定などプロジェクトを総合的に統括するコンストラクションマネジメント・プロジェクトマネジメントなどの仕事もできます。

他にも建物を審査する官公庁など、一級建築士とは違ってさまざまな場所で活躍できるのは二級建築士の強みです。

二級建築士の業務範囲について解説しました。戸建て住宅の設計がメインであるため、大きな建物は作れませんが、住む人の生活基盤を作る立派な仕事です。二級建築士は一生役立つ、需要のある資格だといえるでしょう。

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